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『トランス』
qoo2me
2013.10.16

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原題:「TRANCE」

◆あらすじ◆
ゴヤの傑作『魔女たちの飛翔』がオークション会場から盗まれる。実行犯はギャングと手を組んだ競売人のサイモンだった。ところが彼は、なぜかギャングのリーダー、フランクに絵を渡さず抵抗し、逆に殴り返される。その拍子に記憶の一部を失い、名画の隠し場所を思い出せなくなってしまうサイモン。そこでフランクは、催眠療法士のエリザベスを雇い、サイモンの記憶を探ることに。ところがエリザベスは、そんなフランクの狙いに感づき、自分をパートナーに迎えるようフランクに迫るしたたかで曰くありげな女だった。そんな中、本格的なサイモンの催眠療法が始まる。しかし、嘘と秘密にまみれた三者の思惑は入り乱れ、事態は思いもよらぬ方向へと転がり始め…。


自分はやっぱりダニー・ボイルの世界感が好きだなぁ。

男女3人が中心に回っていく犯罪ものと言えば同監督の初作品「シャロウ・グレイブ」があるが「トレインスポッティング」含め初期の作品に近い雰囲気を携えているのが今作だと思う。
がそれもそのはず脚本がこの2作と組んだジョン・ホッジなのだから納得してしまう。

得意の早い展開が齎す疾走感はボイル監督らしさ全開で題名から推測される様に現実と催眠(トランス)世界の交錯が織りなすクライム・サスペンス。
もう、この頭がこんがらがりそうな展開が大好きっす!

初めは盗まれたゴヤの絵画「魔女の飛翔」の行方を追う物語りだったはずが最終的にはマカヴォイ演じるサイモンの記憶を追う物語りにすり変わっていく。

まず主人公が3人と言う点で面白さが増幅する点。
2人では得られない「敵・味方」の攻防。誰が味方で誰が敵なのか?
ボイル監督のスピード感溢れるスリリングな展開の中心には3人の男女のもつれ合う微妙な距離感やその人物の奥にある精神世界が目まぐるしく移り変わる演出がふんだんに用いられている。
ストーリー自体に新しさは無い、むしろ古臭い感じさえするその安定した基盤に独特な演出が加わるとそれぞれが演じる登場人物のキャラが立ちまくりで「コイツは何をやらかしてくれるんだろう?」「どんな奴なんだ?」と言う疑念や憶測を考えている自分に気付く。

どうやらその精神世界と言う点でその精神に踏み込んだ画家と称される【ゴヤ】を取り入れたんだと思うのだがその中でもこの「魔女の飛翔」に焦点を当てたのはここに描かれる3人の男(捉えられ知恵を吹き込まれている、布を被り何も見えずうろたえている、耳を塞いで倒れている)がまさしくサイモンを指しているからだろう。

                         
      


盗んだ絵画の行方を思い出させる為に催眠療法を使うのだが、先ずその催眠療法士を選び、そこを訪れる場面からしっかりストーリーの要的要素が撒かれている。

ジェイムズ・マカヴォイは割と“文学的”な正統派真面目君イメージだったんだろうけど(個人的には「ラストキング・オブ・スコットランド」や「X-MEN FG」が好きなんでその正統派的なイメージはあまりないんだが・・・)この役も良かったよね。なんか犯罪と記憶と女に翻弄されて自分の足で立ってる風だけど実は違うみたいな・・・スコットランド訛りのまま演じられて遣り易かった的なコメントしてたけどなんだか生き生きしてたのはそのせい?
ボイル監督はショーン・コネリーを見て育ったからスコットランド俳優が好きらしい。だからジェイムズとのインタビューの2ショットがパトロンについてきちゃった僕ちゃんみたいな感じに見えたのか(笑)(笑)


ロザリオ・ドーソンも凄く良かったな。大事な場面の表情とか結構来るわ。
彼女演じる催眠療法士・エリザベスがサイモンを見た瞬間に示す表情(ここなんでそんな顔するの?って思うんだよね)や直ぐに本名を聞き出してしまう展開など最後のクライマックスで記憶が蘇るシークエンスでなるほどと思わせられる。催眠療法がそこまで出来るものかと言う疑問も無きにしも非ずだがそこは作りモノ。リアルだけで描かなくていいのが創作物だ。

まぁ、そのエンディングに行きつくまでの展開がナニハトモアレ目まぐるしさこの上ないのでちょっと追いつけなかったり眠気に誘われたりなんてしていたら最後の最後怒涛の様な種明かしが待っていて、まるで「眠ってる場合じゃネェ〜んだよ!」と横っ面はたかれる感覚になる(笑、あたしゃ寝たりなんてしてないっすよ、大好きだからこう言うの)

好きな点は他にもあって、その一等賞はヴァンサン・カッセル演じるフランクって言う悪いオッサンの移り変わりが最高!
初めはボスと言う役割を担っておいでになるんだが・・・サイモンに絵の行方を吐かせようと軽い拷問にかけたりね。でも前述した催眠療法士の女が登場した事によってこの悪がってた男フランクは次第に悪い人じゃなくなっちゃったりするわけですよ。てか最後には一番イイ人な感じでむしろ可哀想なくらいヘタレちゃう。で、こう言う役やらせるとヴァンサン君は本当に上手くて《たいへんよくできました》のハンコ押してあげたくなっちゃう位に良かった。

あの火だるまの車から降りようとしていったんドアを開けられたのに炎に圧倒されてまたドア閉めちゃった辺りは小心でかわいいのよね。まぁ、ガソリン被ってっから火に飛び込んだら自分も火だるまだけどね(ーー;)

そう言えばそのフランクちゃんで思い出したけど拷問中のアジト(最後にも出て来るスクラップ工場)に中華のデリバリーとか頼んじゃうのとか結構コメディな要素も入ってて笑える(だってアジトなのに・・・)取り敢えずヴァンサン君のシーンは割と笑える点が自分的には楽しかった。いや、至って真剣な演技っすけどね。


まぁ、この作品の一番の見応えと言うのはやはり冒頭でこの3人が絡み始める時の姿と最後この物語が終わった時の姿の違いかな。
「魔女の飛翔」と言う絵画を用いたのはこのエンディングを踏まえてだったのかと思わず納得したよね。
で、してやったりなエリザベスからの動画メールを見ながらニヤけてるフランクちゃんはもう堪らないっす。あの催眠療法アプリを押そうか押すまいかと迷う人差指ちゃんがかわゆす(笑)


目まぐるしい現実とトランス状態との挟間、エリザベスの登場シーンだけが穏やかで落ち着いた空気が流れる。彼女がただの催眠療法士ではないと言う背景が凄く上手く出来あがっててそこに恐らく観客もホッと詰めていた息を吐き出して余計に彼女に引き込まれて行ってしまうんだろうな。

そんな彼女の台詞の一つに「人間は記憶の連続体」てのがあるんだけど人間から記憶を失くしたら不安で仕方なくなる気がする。人間は記憶で成り立っているって言うのは本当だよな。ボイル監督が「意識と無意識のどちらが人の心を支配するのかという大きな疑問を突き詰めたかった」って言ってるんだけどもしかしたら人間の行動って感情やら過去の記憶の積み重ねで意識したものもあるけど先読み出来ない無意識の言動の方が面白かったりするのかもね。


とにかくチョイチョイと散りばめられた見逃せないギミックが多い所も見応えの一つだ。
てか、あんまり何処までが現実でどこからがトランスか?とか詳細に考え込まずに観たらいいんじゃないかな。そこで引っ掛かると本質見逃すよね。



ただ一つ・・・そのロザリオ・ドーソンが折角陰毛まで剃って全裸登場した肝心要のシーンで訳の分からないボカシが入っていてそのボカシがちょっと黒っぽかったもんだから???な感じになっちまっててもうお粗末もいい所!なんかジョリーン、ジョリーンてバスルームで剃ってる音が聞こえたからそうだって判るんだけどボカシがヘアみたいに見えてサイモンの❤お好み❤シーンが台無しな感じになる。日本の映倫よそのへんは考えようよ、あれボカシ要らんだろ!性器が見えてたっていいじゃないのよ!割れ目くらいなんだってのよ!みんなもってるんだからさ!ヘアはもう既に殆ど解禁してんでしょ。もうアホ臭くてビックリだよ。なので「アナタの好みは知ってるわ」のNO陰毛シーンからあの絵画集をみながらサイモンとエリザベスが会話するシーンに至るまでの間なんだかモヤモヤが頭を過っていた観客が居たとしたら(ウチの妹ね)それは映倫のせいです。

                                           Rosario_Dawson_@_Trance_Web-dl1080p_by_DeepAtSea.mkvそのシーンフォト

でも、なんだか画像検索してて男の性器より女(ロザリオ)の性器がチラ見えしてる方がエロく感じたのはなぜだ?男のはもう見慣れ過ぎ?・・・・・反省・・・(´・ω・`;A)

で、裸シーンわりとありますなヽ(*>∇<)ノヤッホーイ♪

 その中でも一番のお気に入りは・・・
               片足inジーンズからのピストル弄くり回す的な・・・ココ最高!


そう言えば今作の音楽はアンダーワールドのリックなんだよね。前述した「シャロウ・グレイブ」ではレフトフィールドの疾走感溢れる冒頭シーンの曲にワクワクモノだったが今作も音楽は良かったよ。




余談だけど、あの冒頭オークションシーンの競売人役の方は実際のサザビーズの競売人でマーク・ポルティモアさんと言う方だそうですね。だからあのオークションシーンにはリアル感があったんだね。凄くリズムが良くて実際にオークションを体験してる感じになったもんな。やっぱり実物はスゴイや。



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